ピアノ調律師 仕事としてのピアノのメンテナンス

ピアノ調律師の仕事とは

ピアノの調律師とは、ピアノのメンテナンスつまり、ピアノをより長く、より良い状態に保つためにお手入れをする仕事です。

ピアノ調律師がいなかったら、ピアノをより良く、長く保っていくことはなかなか難しいと言っても過言ではありません。

ピアノ調律師は、ピアノの88鍵を自由自在に操る魔術師のような存在です。

今の日本でピアノを所有している家庭は、およそ5分の1だと言われています。

ということは、5軒に1軒はピアノを所有しているという計算になります。

最近では、ピアノの売れ行きは減少傾向にありますが、それでも、昔から家庭などにあるピアノを良い状態に保つために、ピアノ調律師の方々のお手入れはかかせないものとなっています。

ピアノ調律師は、ピアノの88の音すべてを正しい音程にし、さらにその上で、豊かな音色を作っていくのが仕事です。

ピアノは、強い力で弦を張って、それをたたくことで音色を奏でるしくみになっています。そのため、ピアノを弾くことによって、ピアノ弦がだんだんゆるんでいってしまうので、それを調整するのもピアノ調律師の方の仕事です。

一般家庭では、およそ年に1、2回が調律の目安です。

そして、ピアノ調律師の方々もひとりひとり経験年数や、感性などが違うので、作り上げる音が違ってきます。

調律するピアノの弾き手が、大人であるか、子供であるか、どのような曲を演奏するのか、どれほど練習しているのか、どのような音色を求めているのだろうか。

など、さまざまな細かい背景や、要望に応えながら、依頼主の満足する音を目指して調律します。

ピアノ調律師の現状

今現在のピアノの調律師の現状ですが、全国で毎年、約100人が新たにピアノの調律師になっています。

それに対し、現在の家庭のピアノは、販売台数も減っており、飽和状態にあります。

調律の必要性のない電子ピアノが普及していっていることもあって、ピアノの需要は現在下降気味であります。

そんな状態の中で、楽器販売店の中には、ピアノ調律師にピアノの販売数のノルマを要求するところがあったりと、決して簡単な仕事ではないようです。

こう言ってしまうと、ピアノの調律師なんてならないほうがいいと感じてしまうかもしれませんが、決してそう感じてほしくて言っているわけではありません。

ただ、こういったこともある、という紹介です。

最近では、会社を定年退職したあとや、お子様が育って自立していったあとなどに、自分の楽しみとして、趣味として、高価なピアノを買い求めて、一生懸命に練習している人たちが徐々に増えていっているようです。

そのため、ピアノを大切に使っている人に、現在お使いのピアノをより長く、より良い状態で弾いていくために、やはり今後もピアノ調律師の方々の活躍は期待されます。

よく、ピアノ調律師になるためには、絶対音感があったほうが良いとか、ピアノが上手に弾けないとよくないとか思われている方がいらっしゃいますが、決してそうではありません。もちろん、絶対音感はあったほうが良いという考えもありますが。

基本的にピアノ調律師は、2つの音の"うなり"というものを聞いて調律をしています。

むしろこの感覚に絶対音感が邪魔になってしまうということもあるといいます。

この"うなり"を聞くことができるようになるには、とにかく訓練することが大切です。

一度聞き分けることができるようになると、体が覚えてしまうので、年をとってもその感覚を忘れることはないといわれます。

それに、ピアノ調律師になるために必要な演奏経験はありません。

手を広げたときの大きさがオクターブに届くほどあり、音階がスムーズに弾ければ良いのです。

ピアノ調律師になるためには

ピアノの調律師となるためには、何が必要で、どうしたらいいのでしょうか。

一般的に、ピアノの調律師になるためには、全国にある約20ヶ所ほどのピアノ調律師養成学校に入って訓練をする必要があります。

そのほかにも、大手の楽器メーカーなどのなかには、会社内に養成所を設けるなどして、自社で働く調律師を養成しているところもあります。

そして、最近増加傾向にあるのが、音楽療法などのコースと併せて、ピアノ調律科を設けている専門学校などがあります。

調律のプロとして活躍するためには、とにかく調律の経験が大切と言われています。

そのためにも、とにかくたくさん台数をこなしていくのが一番ということなので、教材となるピアノをできるだけたくさん所有しているところが良いのだそうです。

学校で訓練などが終わったら、一般的な進路は就職活動をして楽器販売店や、ピアノ調律師を派遣する事務所などに勤めます。

他にも、楽器メーカーにある工場などで、出荷する前のピアノを調律するための調律師になる人もいます。

ある程度の経験を積んだら、独立したりする人も中にはいるそうです。

ピアノ調律師の仕事は、依頼主とのコミュニケーションを円滑にはかるのも大切となります。ただ単に黙々と仕事をこなしているだけではなく、依頼主の方とスムーズなコミュニケーションをとれることも重要な能力となります。

休日などは、所属する会社などにより異なります。仕事は、依頼主の方のお宅に訪問して音を出すため、ほとんど日中が中心となります。

収入は、やはり所属するところによっても、雇用形態によっても違います。

楽器店などによっては、見習い期間の数ヶ月はお給料のでないところもあるそうです。

技術レベルや、勤続年数などに応じて違うようです。